【シンナーの処分方法】捨て方や業者に廃棄してもらう方法など【有機溶剤、プラモデルの塗料の処理】

シンナーのゴミの分類は?

 

シンナーをゴミとして捨てる場合、どんな分類になるのでしょうか?プラモデルなどで使用するラッカーシンナーなどは、『有害ゴミ』として分類し回収されるか、自治体でゴミの取扱対象外と指定されています。その他、自分で処理することで燃えるゴミとして出せる場合もあります。処理方法はのちほど詳しく説明します。

 

有害ゴミとして分類される場合、市町では収集できない場合も多く、販売店へ持ち込むように指示する地域もあります。ちなみに、販売店とはガソリンスタンドやホームセンターなど危険物を扱う上で許可を受けて営業する場所を指します。ほかには塗装業者や危険物の回収を専門に行う業者なども該当します。

 

シンナーを有害ゴミとして処分するには、中身を使い切っていることが条件です。シンナーが入っていた容器を、自治体指定のゴミ袋に入れて指定の日時にゴミステーションに出しましょう。

 

 

自分で処理する方法

 

自分で処分する場合は、中身と缶の両方について別々の処理方法で対応する必要があります。趣味のプラモデルやちょっとした塗装で少量を使用した場合は参考にしてみましょう。相当量が溜まって大量に処分する場合は、安全面を考えて、ご自身で行うよりも専門業者に相談した方が良いです。

 

中身の処分方法について

◆燃えるゴミとして捨てる

自治体によってはきちんとした処理を行うことで燃えるゴミに分類しても良い地域もあります。毎週収集日がある燃えるゴミは、家にシンナーを保管し続ける必要はありませんね。シンナーは他の危険物と混ざることで発火する危険性や、排水口にそのまま流すと悪臭や有害物質が溶け出す原因にもなりかねません。燃えるゴミとして出す場合は以下のような処置を行って下さい。

 

※量が少ない場合

少量のシンナーが残った場合の方法です。ティッシュやキッチンペーパー、新聞紙に残りのシンナーを染み込ませるように拭き取り、ニオイがなくなって気化するまで時間を置きます。気化させる場所は、火気がない屋外など換気が良い場所で行うようにしましょう。できれば風通しの良い日光が当たらない場所で行う方が良いです。

 

その後、ニオイが消えたらそのまま燃えるゴミとして出しましょう。シンナーは揮発性物質なので空気中で消滅すれば有害性はほとんどなくなります。そのため、十分に気化させることがポイントになります。

 

※量が多い場合

市販の廃シンナー処理剤を用いてシンナーを固めます。揚げ物後の残り油を固めて捨てる凝固剤をイメージすると分かりやすいでしょう。シンナー専用ではなく、『残塗料処理剤』としても販売されています。

 

余ったシンナーに処理剤を加えると固化されますので、そのまま燃えるゴミとして捨てましょう。

 

残塗料処理剤は、安いものだと100円~購入することができます。ホームセンターやインターネットでも取り扱っていますよ。固める際にそのまま捨てられる容器があると便利です。牛乳パックなどで作業しても良いかもしれませんね。

 

 

容器の処分方法について

ゴミとして出すにあたり、しっかりと塗料やガスを使い切ることは最低限のルールです。缶でできた容器であれば、穴を開けるか開けないかは自治体によって異なります。また、ゴミの分類は有害ゴミ、もしくは金属ゴミに分類されることが多いでしょう。プラスチック製の場合はプラスチック類に分類されることもあります。一斗缶サイズの場合は粗大ゴミに分類される場合もあります。必ず、自治体の分類を確認して従うようにしましょう。

 

側面などに付着した塗料はハケなどを使って集め、広げた新聞紙などに薄く塗って固まるまで乾燥させましょう。スプレータイプのガス抜き作業をする際は、必ず屋外で行うようにします。新聞紙などいらない紙類に向けて、「シュー」という音がなくなるまで出し続けて下さい。缶が冷えるとスプレーの出が悪くなり使い切ったように思いますが、まだ残っている可能性があります。2~3時間経ってからもう一度スプレーして音が聞こえなくなるまで作業するようにして下さい。

 

 

販売店や専門業者へ依頼する方法

 

自分で処理を行う場合、注意点も多く、処理量が多いと大変になってしまいます。そんな時は、詳しい取扱いを知った販売店や専門業者へ相談しましょう。

 

販売店へ持込む

シンナーを自分で処理するとなると注意を払う必要がありますし、万が一のことを考えるとこわいですよね。そんな時は販売店にお願いしましょう。

 

実際に購入したお店が分かる場合は購入店へ、分からない場合はお近くのガソリンスタンドやホームセンターへ相談しましょう。

 

有機溶剤作業資格を持った店舗であれば、引取りを了承してくれる場合があります。

 

実際引き取ってくれるか、事前に電話で確認します。

 

場所によっては、シンナー容器ごと処分をしてくれますので、不要な際は容器も処分してほしい旨を伝えます。

 

市役所やゴミ処理センターへ相談する

漠然と引取り業者を決めかねている場合は、市役所やゴミ処理センターへ直接連絡して相談してみましょう。本来家庭から出るゴミは一般産業廃棄物として市町で処理されるのが一般的とされます。しかし、危険物等を処理する施設がないため、外部の産業処理業者に任せていることが多いようです。市役所やゴミ処理センターへ直接電話して、詳しい処理施設を紹介してもらいましょう。

 

産業廃棄物処理業者に依頼する

法令により、シンナーの処分は有機溶剤作業資格を持った廃棄物処理業者などに処理を委託することが決められています。市役所へ問い合わると、多くの場合は、正式に認定を受けた産業廃棄物処理業者を紹介されることが多いでしょう。

 

自分で「公益社団法人全国産業廃棄物連合会」のホームページから業者を探すこともできます。お住まいの近くの産業廃棄物処理業者を調べることができますので、一度試してみても良いかもしれません。容器内にシンナーを残したまま廃棄物処理業者に処理を依頼する際は、容器内に残っていること必ず廃棄物処理業者に知らせるようにしましょう。

 

一般廃棄物取扱不用品回収業者に依頼する

インターネットで出張引取してくれる会社を探しても良いでしょう。事業所近辺の都道府県であれば、引取りに来てくれる場合があります。費用はそれぞれの店で異なります。小さい缶で500円前後、一斗缶など大きいサイズで3000円前後という値段設定しているところもありました。出張料金や引取値段はいくらかなど、細かく事前にチェック項目を決めて電話するようにしましょう。

 

探す時は、きちんと一般廃棄物取扱の認定を受けた会社に依頼するようにして下さい。中には認定を受けていないにも関わらずに商品の引取りを行うケースもあります。不法廃棄を繰り返し、環境汚染に加担する側になっている場合もあるでしょう。注意しましょう。

 

シンナーとは?

 

シンナーとはラッカーやペイントなどの塗料を薄めて、粘土質を下げるために使われている溶剤です。馴染みのあるニオイとしては油絵などが思いつくでしょうか。英語の「thin」薄めるという言葉が語源になっているそうです。

 

シンナーは含まれる有機溶剤によって特徴が多少異なります。揮発性の高さやニオイのしやすさも違っているので、全てが強いニオイを発生させるとは限りません。

 

シンナー中毒とは?

シンナーは過度の吸引によって中枢神経が麻痺して幻覚やひどい脱力感を引き起こします。高濃度で吸引した場合に症状がひどくなると、死亡事故につながる危険性もある恐ろしい一面を持っています。

 

では、プラモデルの塗装も実は危険行為になるのか?と思われた方もいるかもしれません。しかし重要なのはシンナーに含まれる溶剤の種類と量についてです。最近では人や環境に優しい有機溶剤で作られたシンナーが主流になってきています。一般的な大きさのプラモデルに使われる量で、使用上の注意を十分守っていれば、問題はありません。ただし、ニオイに対する感受性は人によって異なるので、気分を崩す方もいらっしゃいます。

 

中には残念ながら、残ったシンナーを排水口に流す事例もあります。排水口から通じる管を溶解させ、周辺地域にニオイを充満させてしまいます。自治体のルールに従い、正しい処分方法を実施するようにしましょう。