嫌な匂いがするのはなぜ?
プラスチックで嫌な臭いがする原因は2つ考えられます。
1つはプラスチックの製造過程で添加されている安定剤によるものです。
2つ目はプラスチック表面の凸凹に様々なにおい成分が付着することです。
紫外線防止剤や酸化防止剤と呼ばれる安定剤が添加されています。
この安定剤は、単独ではきついにおいはしないのですが、高分子を加工形成するときに高温度がかかることで一部が分解し、これが臭いのきつい低分子化合物が生成される可能性があると考えられています。
「なぜ安定剤が使われているのか?」についてですが、そもそもプラスチックとはどんなものなのか知る必要があります。
石油、天然ガス、石炭といった天然炭素資源を主な原料として、これらを高分子合成反応させることによって、炭素、水素、酸素、窒素、塩素などの原子を、鎖状や網状に連結した長大分子(ポリマー)に合成し、更にこのポリマーを主体として、充填剤、補強材などを配合して得る材料のことを指す。
このように、石油や樹脂に熱を与えたり、添加剤を加えて好きな形に製造されたものがプラスチックと言われます。
臭いの原因がわかっていても添加安定剤を使用するのは、それらが製造過程において非常に重要な役割を担っているからです。様のホームページで以下のように詳しくご紹介されております。
プラスチックは元来、熱や光に対する安定性が充分でないため、成形加工段階や使用時に加わる熱、日光に含まれる紫外線などによって容易に酸化、劣化してしまいます。
~中略~
これらの劣化の抑制は、プラスチック自体を改良するよりも、少量の安定剤を添加する方が効果的かつ経済的です。
実際、多くの安定剤が開発されプラスチックの種類や用途に応じて選定・配合されて、プラスチックの実用化に貢献しています。
臭いの取り方
それでは、プラスチックに付いた臭いの取り方をご紹介します。
非常に多くの方法がありますが、その中でも実用性のある3つの方法を紹介します。
粗塩
塩を使ってプラスチックをこすりましょう。
もしくは、多めの塩と水を混ぜて食塩水を作りましょう。
その食塩水にプラスチックを浸けておくか、容器であれば食塩水を入れてシャカシャカふることで、プラスチックの細かな凹凸に塩の粒子が入って消臭してくれます。
お湯・重曹・クエン酸
アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸も中和により、炭酸ガスが発生して発泡します。
この泡が細かい所に入り込み、消臭しつつ汚れなども同時に落としてくれます。
クエン酸の代わりに穀物酢でも代用できます。
様々な場面で利用できるため、有効な手段です。
①臭いをとりたいプラスチックを、500mlのお湯が入った容器につけます
②重曹を小さじ4杯(小さじ1杯約3.5gなのでおおよそ14g)、クエン酸を小さじ2杯(小さじ1杯約5gなのでおおよそ10g)の順に、①に加えます。
③クエン酸を入れた瞬間泡立ってきますので、その発泡が終わってから60分程おいて、最後にお湯でよく流します。
臭いをとりたいプラスチックがタッパー等の容器の場合、内側だけの消臭であればそのプラスチック容器に直接入れてもOKです。
この分量は目安であり、分量が少し変わっても大きな問題はありません。
ただし、熱湯(沸騰している水)に重曹のみを加えると、重曹が炭酸塩に変化し強アルカリ性になります。
お肌が弱い方はゴム手袋などを着用して行うのが良いでしょう。
酸素系漂白剤
ワイドハイターなどの酸素系漂白剤は、水に溶けることで活性酸素を出し、その酸素力で臭いの元を除菌します。
そのため、食材を入れたタッパーなど、凹凸に菌や成分が入って臭いを発している場合に非常に効果があります。
酸素系漂白剤ですが、基本的に液体と粉末どちらでもかまいません。
粉末を使う場合はお湯の方が溶けやすいですし、液体なら水でも問題ありません。
◆液体漂白剤
40℃程のお湯1Lに酸素系漂白剤を約4g程度入れて1時間ほど浸けておき、水やお湯ですすいだら紫外線の当たらない場所で自然乾燥させます。
◆粉末漂白剤
液体漂白剤と方法は変わりませんが、お湯1Lに入れる漂白剤を8g程度にしてください。
分量は目安であり、分量が多少変わっても大きな問題はありません。
商品のパッケージにある分量で行うのもよいでしょう。
大きなプラスチックで浸けられないサイズのものであれば、霧吹きの容器に入れて吹きかけてください。
まとめ
プラスチックの臭いは、
・製造過程で添加されている安定剤
・プラスチック表面の凸凹に臭いの原因物質が付着
によるものと考えられる。
臭いを取るには、
・粗塩を使う
・お湯・クエン酸・重曹を使う
・酸素系漂白剤を使う
ことが効果的です。