ハヤシライスの消費期限
ついついたくさん作ってしまう
ハヤシライスやカレーライスは、ついつい多めに作ってしまうものです。この理由には、たくさんの具材を用意しすぎて、思いがけず量が増えてしまったから。
大きな鍋で煮込んだ方が、味が馴染んでおいしく仕上がるから。毎回イチから作るのが面倒だから。・・・などが挙げられると思います。しかし、理由はさておき、たくさん作ってしまったハヤシライスは、腐らせて捨てることなく、全部食べ切りたいものですよね。
続けて食べると飽きてくる
家庭で作ったハヤシライス、いつまで食べていますか。一度で食べきれない分は、翌日まで掛かって食べることはあると思います。と言っても、一日三食を毎回、ハヤシライスを食べていると飽きてしまいますよね。ハヤシライスは、カレーライスよりも味が穏やかなので、長く食べ続けるには向いていないです。
消費期限は条件によりけり
ハヤシライスの消費期限は、保存方法によって異なります。
また、季節や作り方などによっても、日持ちする期間は変わってきます。
常温保存のときの消費期限
常温保存はOK
ハヤシライスを鍋に入れたまま、常温保存する家庭は多いです。1~2回で食べきれる量であれば、常温保存することがほとんどでしょう。ハヤシライスは、調理過程でしっかりと火を入れますので、常温保存することは可能です。
新鮮な野菜や肉を使い、衛生的な環境で手作りしたハヤシライスであれば、常温保存でも充分OKです。
涼しい時季ならば丸一日
春や秋など、穏やかで涼しい時季には、常温で丸一日は保存できます。たとえば、夕食に作ったハヤシライスを、翌日の夕食に食べても大丈夫です。しかし、夏場の暑い時季や、梅雨などで湿気が高い時季では、常温で長く置いておくのは微妙です。
熱帯夜が続くと、夕食に作ったハヤシライスが、翌朝には腐っていることもよくあります。また、冬であっても、暖房が一晩中効いた部屋に置いておく場合は、丸一日も持たないことがあります。
お弁当には向いていない
常温保存ができるハヤシライスですが、お弁当のおかずにするにはあまり向いていません。お弁当では、温度管理が難しく、鞄や巾着の中で熱がこもってしまうことがあるからです。
さらに、熱いままのハヤシライスをお弁当に入れると、蒸気や熱気が出るため、他のおかずまで傷んでしまうことがあります。お弁当にハヤシライスを入れたいときには、いちど冷凍したものを入れるのが無難です。
冷蔵保存のときの消費期限
1~2回で食べきれない量のハヤシライスは、冷蔵保存してください。冷蔵庫に入れておけば、2~3日は食べることができます。冷蔵庫の中は、気温や湿気の影響を受けにくく、一定に冷えた温度下で保存できるというメリットがあります。
冷蔵庫に空いているスペースがあるのであれば、迷わず冷蔵保存で! 鍋ごと入れて保存すると楽ですよ。
冷凍保存のときの消費期限
しばらく食べる機会がないハヤシライスは、冷凍保存すると長持ちします。ジップロックなどに入れて、しっかりと密閉して冷凍すれば、1ヶ月は保存可能です。衛生面などに気を付けて保存すれば、2ヶ月程は食べても大丈夫でしょう。
ただし、冷凍保存では、いちども解凍しないことが原則です。常温にさらすなどして、少しでも解凍してしまったハヤシライスは、当日か翌日までには食べるほうが安全です。
ハヤシライスの保存方法
冷蔵保存のとき
保存方法
①鍋に余ったハヤシライスは、常温にしばらく置き、熱を冷ましておきます。鍋の周りに付いた、ハヤシライスなどの汚れなどは、鍋が温かいうちに拭き取っておきます。
②冷蔵庫の中を整理して、鍋が入るスペースを空けておきます。鍋よりひと回り大きいぐらいのスペースを用意しましょう。
③鍋の熱が完全に取れたら、フタをぴったりと閉め、冷蔵庫に入れて保存します。
④鍋のまま冷蔵することに抵抗があったり、鍋を入れるスペースがない人は、タッパー容器などに移し替えてから保存しましょう。キレイに洗ってから乾かしたタッパー容器を使ってください。
保存時のコツ
・鍋ごと冷蔵保存することで、無駄な雑菌が入りにくくなる
・冷蔵庫の温度が上がらないよう、不要な食材は出し、スペースを空けておく
・雑菌などが入らないよう、鍋のフタはきっちりと閉める
・タッパーに移し替えるときは、余計な水分や雑菌が混ざらないように注意する
食べるときには
鍋を冷蔵庫から出し、そのまま火に掛けて温めてください。軽く沸騰して泡が立つまで、火をよく通すといいです。熱で殺菌ができると同時に、美味しくいただくことができます。
冷凍保存のとき
保存方法
①余ったハヤシライスを常温に置き、よく冷まします。
②ジップロックなどの小袋に、ハヤシライスを入れてください。少量サイズのジップロックを使い、一人分ずつ小分けして入れるのがお薦めです。食べるときに、無駄に解凍する必要がなく、調理もしやすいです。
③ジップロック袋に入れる場合、中に入った空気をよく抜きます。できるだけ真空にした状態で、ジッパーを閉めてください。
④ジップロックを冷凍庫に入れます。なお、冷凍する量が多いときには、冷凍庫の温度が低くなるように、冷蔵庫の設定を変えておきましょう。
冷凍時のコツ
・冷凍OK、レンジOKのジップロックなどを使う
・一食分ずつに小分けして冷凍すると、食べるときに便利
・大きいジップロックしかないときには、指で窪みを作り、割れ目を作っておく(必要な分だけ、割って解凍できる)
・低温に設定し、急速に冷凍させるほうが、美味しく保存できる
食べるときには
ジップロックなどの容器に入ったまま、電子レンジで温めてください。また、調理などに利用する場合は、レンジで軽く解凍してから、鍋やフライパンなどに移して火を通してください。
カチカチに凍ったまま、フライパンなどに入れて熱しても、うまく解凍ができず、焦げ付きなどの原因となります。
長持ちするハヤシライスを作るには
肉には完全に火を通す
ハヤシライスに使う肉は、中まで完全に火を通してください。生焼けの部分が残ると、ハヤシライスが傷みやすくなります。ちなみに、牛肉の薄切りなどは火が通りやすいのですが、ブロック肉などを使うと、芯まで火が通りにくいです。
大きな塊肉を使う場合は、カットして中の状態を確かめることをお忘れなく。
傷んだ野菜を使わない
人参や玉ねぎなどの具材は、新鮮なものを使ってください。茶色く変色した人参など、劣化した野菜を使うと、ハヤシライスそのものも傷みが早くなります。
冷凍保存などで長くストックしておく場合には、野菜選びはとくに慎重に。古い野菜を使うと、いざ食べようというときに、変な臭いがして食べられないということがあります。
生クリームや牛乳を入れない
最初からストックするつもりのハヤシライスには、生クリームや牛乳を入れないほうがいいです。生クリームや牛乳は、確かに入れたほうが、味にコクやまろやかさが出ます。
ですが、乳製品であるため、傷みやすくなる原因ともなります。もし生クリームなどを入れた場合は、常温保存を避けて、はじめから冷蔵保存か冷凍保存することをお薦めします。
雑菌が入らないよう、置くときはフタを閉めて
常温であっても、冷蔵や冷凍であっても、保存するときには密閉しておくのが基本です。常温で粗熱を取るときに、フタをずらしておくのは構いません。しかし、よく冷めた後は、フタをきちんと閉めておくか、密閉できる容器に移し替えるほうが安心です。
とくに、鍋のまま常温に置いておくときは、雑菌や埃の他、小バエなどの虫が入り込んでくることがあります。食べ物を置いておく以上、フタなどでしっかりと密閉して保存するようにしましょう。
ストックしたハヤシライスの活用
ハヤシライスとして食べる以外にも・・・
ストックしたハヤシライスは、ハヤシライスとして食べる以外にも、いろいろと活用できます。ごはんに掛けて食べるのに飽きたときには、隠し味やソースとしても利用してみてはいかがでしょうか。
なお、ソース用などとして使うときには、小さな容器に小分けして冷凍しておくと便利です。
ハンバーグのデミグラスソースとして
ハヤシライスは、デミグラスソースと味が似ていますよね。ですので、解凍したハヤシライスを、ハンバーグに掛けるだけで、デミグラスハンバーグの出来上がりです。
フライパンで一緒に煮込むと、美味しい煮込みハンバーグになります。味が足りないと感じるときには、ソースやケチャップなどで味付けしてくださいね。
ドリアソースとして
白いごはんの上に、解凍したハヤシライスを載せてから、チーズをたっぷりと掛けます。これをトースターで焼くと、ドリアの出来上がり。チーズとハヤシライスは相性が良く、簡単なのにとても美味しいです。
オムライスのソースとして
オムライスを作ったときに、ハヤシライスの残りを温めて、上に掛けてみてください。まるでお店のオムライスのように、凝った仕上がりとなります。ケチャップの味に、ハヤシライスの味が足されて、濃厚な味わいとなりますよ。
お料理の隠し味
パスタソースやキーマカレーなどを作るときの隠し味として、ハヤシライスの残りを利用してみましょう。色々な味が混ざり合って、奥深い味わいになること間違いなしです。
また、ロールキャベツの味付けとして、コンソメスープに、ケチャップとハヤシライスを足しても美味しいです。