【ビスコース素材の洗濯方法】洗い方やしわ・縮み対策、素材の特徴など【アイロンの掛け方】

洗濯する際の注意点

洗濯表示の確認

まずは、ビスコース素材の洗濯表示を確認しましょう。家庭で洗濯できるビスコース素材は、手洗いマークか洗濯機マークが付いているものです。それ以外の表示がされたものは、家庭で洗うには、非常にリスクが高いです。

 

ドライマークの場合

他の繊維素材では、ドライマーク表示がされていても、こっそりと家庭で水洗いすることはあるかと思います。しかし、ビスコース素材については、ドライマークの家庭洗いは厳禁。極端なケースを挙げると、ビスコース素材では、大人用のドレスが子どもサイズぐらいに縮んでしまうことがあります。とにかく縮みやすいので、洗濯表示に従って洗うのが無難です。

 

手早く洗う

◆水に浸す時間を短く!

洗濯時間は、とにかく短く仕上げること! 水に浸す時間が長くなるほど、ビスコースはどんどん縮んでしまいます。サクッと汚れを落とし、手早くすすぎと脱水を行うのが、ビスコースをうまく洗うコツです。

 

◆段取りをスムーズに!

洗濯時間を短くするには、洗う時間を短縮するほかに、段取りをスムーズにしておくことも秘訣です。洗う前には、使う道具や洗剤をしっかりと揃え、洗う手順をイメージしておきましょう。たとえば、手洗いで洗う場合は、洗面器などに水を貯める時間すら、時間の浪費になることも。洗面器やバケツなどを利用して、洗う用の洗剤水と、すすぎ用の水との2つを、あらかじめ貯めておくといいです。

 

◆脱水も短く!

脱水も短く仕上げましょう。ビスコース素材は、水切れがいいため、長く脱水する必要はありません。洗濯機で脱水する場合は、1分程度に設定すれば充分です。

 

使う洗剤

◆ドライ専用の洗剤がベスト

ビスコース素材を洗うときには、ドライ専用の洗剤を使うのがお薦めです。というのも、通常の衣類用洗剤ではダメージが強くて、生地が縮みやすくなるからです。そして、ドライ用洗剤は、短時間で洗浄することができ、洗剤切れも速やか。手早く洗いたいビスコース素材にピッタリです。

 

ドライマーク衣類専用の洗濯洗剤です。浸け置きや、洗濯機で洗うときに使用できます。ドラッグストアやホームセンターなどで売っており、家庭で洗えるドライ専用洗剤として、手に入りやすいです。

 

 

◆おしゃれ着洗い洗剤も可

ドライ専用の洗剤が手元にないときには、エマールなどのおしゃれ着洗い洗剤を使いましょう。こちらも、浸すだけでも汚れが落とせるほど、洗浄力があり、さっとすすぐだけで洗剤が落とせます。生地へのダメージも、比較的少ないです。

 

 

プロ・ウォッシュは、プロのクリーニング店がおしゃれ着衣類を水洗いするためにと、特別に開発された洗剤です。業務用洗剤に近い仕様となっており、衣類にダメージを与えることなく、汚れを落とすことができます。生地の縮みを防いでくれ、ふんわりとした風合いを保てるのが特徴。ビスコースなどのデリケートな素材を洗うときに、ピッタリです。

 

 

洗濯方法

手洗い

家庭でビスコースを水洗いする場合は、手洗いで行うのが基本です。洗ってから水を切るまでの工程を、2~3分で終わらせるのが理想です。

 

①ビスコース素材の衣類は、裏返してから、軽く畳んでおきます。スカーフなどは、洗面器などの中に収まるよう、何回かに折っておきます。

②洗面器かシンクなどに、水かぬるま湯を張ります。ぬるま湯のときは、蛇口から出る温水をぬるめにして、30度ぐらいで使いましょう。あまり温度が高いと、生地が縮みやすくなります。

③洗面器の中に、適量の洗剤を溶かしてかき混ぜます。その中に衣類を浸し、底まで沈めて、洗剤水をよく染み込ませます。

④両手のひらを使って、優しく押し洗いをしてください。押し洗いは手早く、30秒から1分程度が目安です。なお、スカーフなどは、水の中でゆらゆらと振るようにして洗うと、汚れを落としやすいです。

⑤洗面器の水を、新しい水に入れ替えます。ここで、衣類は絞らないように!畳んだまま軽く押さえて、水を切れば充分です。

⑥すすぎ洗いを行います。押し洗いで、20秒で2セットほどを目安に行ってください。

⑦脱水を行います。洗濯機で行うときは、1分程度に設定します。もしくは、バスタオルなどに衣類を包み込み、水気を吸い取らせながら脱水します。

 

洗濯機

あまりお薦めはしませんが、洗濯機で洗うこともできます。

 

①ビスコース素材の衣類などは、裏返してから折り畳み、洗濯ネットに入れます。

②洗濯機は、手洗いモードかドライモードに設定して、スタートさせます。

③初期設定の脱水時間が、1分を超えるようならば、1分ほどで停止させて取り出してください。

 

干し方

◆吊して陰干し

衣類などは水気を切ってから、ハンガーに掛けて、吊るし干しで乾かします。ハンガーに掛けた状態で、よく形を整えておくと、仕上がりがキレイです。風通しのいい場所で、陰干ししてください。

 

◆濡れた状態で引っ張ると

ビスコース素材は、濡れた状態で引っ張ると、繊維が伸びて形が整います。とくに裾や袖などは、軽く引っ張って、縮みがないように整えてください。もし洗濯中にビスコースが縮んだ場合であっても、乾く前に引っ張ることで、少々の縮みならば元に戻すことができます。

 

◆強く引っ張るのはNG

もし縮みが気になっても、強く引っ張るのは止めましょう。生地が傷んだり、縫製がほつれてしまうことがあります。洗濯によって、見た目でも分かるぐらい縮んでしまった場合は、干す前に引っ張るぐらいでは元に戻せないです。この場合は、クリーニング店で事の次第を伝えると、生地を引っ張って伸ばしてもらえることがあります。

 

 

アイロンを掛け

注意点

ビスコース素材は、熱にはそれほど強くありません。アイロン掛けを行うことはできますが、温度設定など、注意するポイントがあります。

アイロン掛けに失敗すると・・・

  • 表面がテカテカとして、変な光沢になります
  • 生地がパリパリと固くなり、なめらかさが減少します。

 

掛けるときのポイント

  • アイロンの温度は、低温から中温で設定してください。高温では熱すぎて、テカテカ、パリパリになる恐れがあります。
  • 必ず当て布をして、アイロン掛けをしましょう。当て布には、綿製の白いハンカチや手ぬぐいなどがベスト。ちなみに、当て布には、化学繊維や、色の濃い布を使うのはNGです。
  • ビスコース素材には、スチームアイロンを掛けないでください。というのも、ビスコースは水に濡れると、縮みやすいという特性があるからです。たとえスチームであっても、水分を吹き付ければ、縮みの原因となります。

 

ビスコース

 

ビスコースとは、レーヨン素材の一種です。ビスコースという名前が聞き慣れない人でも、いちどは身に付けたことがあるのではないかというほど、身近な布地です。てかったような光沢と、つるんと滑るような手触りには、昔から愛用者が多いです。シルクのような質感が特徴で、美しいドレープが出るため、パーティードレスやスカーフなどの生地としても、重宝がられています。

 

ビスコースの特徴

◆長所
  • 吸湿性と伸縮性に優れており、強度のある生地です。
  • 染色性が良く、鮮やかな発色が出ます。日焼けしにくく、色落ちもしにくいです。
  • なめらかで、高級感のある質感です。

 

◆短所
  • 水に濡れると縮みやすいです。
  • 水洗いに適しておらず、家庭で洗濯しにくいです。
  • シワになりやすいです。