フェルトとは柔らかな質感と温かみのある生地感が素敵ですよね。
そんな独特の風合いが人気でいまや服や靴、ワッペンやアップリケ、小物雑貨などに幅広く使われています。
そんな身近なフェルトですが、気軽に洗濯できないイメージはありませんか?
縮むのでは?どう洗うのが正しいのか?
フェルト生地の洗濯
フェルトとは、ウールに石鹸をつけた状態でプレスして繊維を縮ませながら絡ませる素材です。羊やラクダなど動物の毛を薄く押し固め作られており、どこを切ってもほつれたりしないので家庭でも簡単に加工が楽しめます。絡んだ風合いが他の繊維にはない魅力の一つですね。
羊毛でできたフェルトは水洗いすることで縮んでしまうため、水洗いは不向きです。保温性やクッション性、防音性に優れておりラグでもよく使われる素材ですが、織ったり編んだりした布と違い、伸縮性がありません。最近では化学繊維を使ったもの(ポリエステルなど)や、引っ張りに強い織フェルトなど種類も豊富に販売されています。
洗えないもの・洗えるもの
フェルトはどれも洗えないのかと思われがちですが、実は洗えるものと洗えないものがあります。
一般的に洗えないとされるものは羊毛でできたフェルトです。絶対洗えないというわけではありませんが、場合により著しく縮んでしまうのでおススメはされていません。
一方、洗えるフェルトとしては、化学繊維で作られたものです。気軽に洗濯できる上に、色落ちや縮みも少なく利便性も高くなり、近年需要が高まっている分野です。その他、防縮加工がされた「ウォッシャブルウール」というものもあります。家庭で水洗いはもちろん、洗濯機を使っても縮みにくく、羊毛ならでは温かみと利便性の両面が楽しめます。
フェルトを洗う時の注意点
フェルトは綿やポリエステルなどの生地と比べ、扱いに少々気を使う必要があります。以下の点に注意して、大切に洗ってあげましょう。
手洗いが基本
フェルトの風合いを守るために手洗いがオススメです。特に、装飾がついたものや色が濃いフェルトは洗濯中に装飾が外れたり、色落ち・色移りする可能性が高いです。紺や赤、青などの色は色落ちしやすいため、おろしたては手洗いが無難です。また、洗濯機で洗うと強い摩擦は避けられませんので、ほつれ、縮み、毛玉などの問題が発生しやすいでしょう。自分で力加減や洗い方を調整できる手洗いであれば、フェルトを長持ちさせることができます。
摩擦が苦手
フェルトは綿などの繊維の様に編み込んで作られているわけではありません。そのため、摩擦することで絡ませた繊維がほつれたり、毛玉を作りやすくしてしまいます。洗う時は押し洗いが基本です。
熱が苦手
フェルトは熱で縮みやすくなる性質を持っています。洗う時の水温には注意し、高温乾燥機は使用してはいけません。残り湯での洗濯は、フェルトを縮ませる原因になるので注意しましょう。最初から最後まで同じ温度で洗うことが重要であることを意識しましょう。
おしゃれ着洗剤を使う
おしゃれ着洗剤は、毛羽立ちなどを防ぎながら毛をコーティングしてくれるので、広がりを抑えて、絡まりを最小限にとどめます。普通の洗濯用洗剤や固形石鹸はフェルトを縮めてしまいます。使わないようにしましょう。
洗濯ネットを使う
洗濯機OKのフェルトであっても、洗濯ネットを使用しましょう。洋服や帽子など、それぞれのサイズにあった洗濯ネットを使うことで、もつれなくなります。また、網目の粗い洗濯ネットは毛玉や摩擦を減らす効果があります。
手洗い方法
生地感を大切にしたいフェルト製品は手洗いすることで、風合いを長持ちさせることができます。少し手間がかかりますが、大事にしたいものほど手洗いしましょう。
◆必要なもの
・洗面器
・おしゃれ着洗洗剤
・ぬるま湯(30℃前後)
・バスタオル
◆手順
①ぬるま湯におしゃれ着洗剤を溶かします。
②洗いたいフェルト製品を①に浸します。
③ぬるま湯の中を泳がすイメージで優しく押し洗いします。
擦ったり引っ張ると、ほつれや毛玉を招きます。重心を乗せるイメージで押し洗いしましょう。
④新しいぬるま湯に入れ替え、フェルトを押しながらすすぎ作業を行います。
⑤タオルを広げ、水を吸い取るように優しく脱水をします。
⑥優しく叩いてシワを伸ばし干していきます。
干す際は伸びや変形を防ぐため、必ず平干しをしましょう。
洗濯機での洗い方
化学繊維製のフェルトやウォッシャブルウールであれば、洗濯機で洗っても問題ありません。手洗いは面倒なので、思わず洗濯を先延ばししたくなる気持ちもあるでしょう。ポイントを押さえて洗濯機で簡単に洗いましょう!