【デニム(ジーンズなど)のカビ・臭いの落とし方】酸素系漂白剤や重曹キレイに【洗濯・洗い方】

デニムとカビ

カビは生えるの?

意外かもしれませんが、ジーンズにはカビが生えやすいです。抗菌作用のあるイメージが強いデニム素材ですが、カビの繁殖とは話がまた別。ジーンズの使い方や保管方法によっては、カビが繁殖しやすくなります。

 

洗うタイミング

ジーンズを履いたとき、毎回きちんと洗っていますか? 履くたびに洗っている人は、実は少ないでしょう。汚れが目立ってきたときや、週に一度などのタイミングを決めて、洗濯している人がほとんどではないでしょうか。このように、洗うタイミングに間が空くため、ジーンズは他の衣類よりも、カビが生えやすいとされています。

 

洗わないほうがいい?

ジーンズを頻繁に洗わない理由のひとつに、ジーンズは、あまり洗濯をしないほうが長持ちする、という説があります。実際、ジーンズを洗濯すると、色落ちや型崩れが生じるのではないかという心配する人が多いです。確かに、洗濯機の設定や、使う洗剤を誤ると、色落ちなどが生じる可能性はあります。ですが、通常、洋服として売っているデニム素材は、色落ちや変形がしにくいように加工されているため、それほど神経質になることはありません。

 

カビや臭いが生じる理由

ジーンズに生えるカビは、付着した汚れから栄養を摂って、繁殖しています。そして、ジーンズは、肌に直接触れるため、汗や皮脂などが溜まりやすいです。これら汗や皮脂の汚れに、雑菌などが付着すると、カビや臭いが発生しやすくなります。また、土埃や食べこぼしなどの汚れも、カビが好む環境です。

 

カビの種類

ジーンズなどのデニム素材に生えやすいのが、白カビや黒カビです。まず、白カビとは、ふわっと白い粉が吹いたように、生えるカビです。胞子の根が浅く、比較的、落としやすいカビです。一方、黒カビとは、黒い点々が染みのように広がるカビです。カビの胞子が、繊維の中に根を張っているため、落としにくいのが特徴です。濃い藍色のジーンズでは白カビ、淡い色のジーンズでは黒カビが目立つため、生えていることに気付きやすいです。

 

 

カビの落とし方

歯ブラシで払い落とす

◆用意するものと環境

白カビは、歯ブラシでさっと払うだけでも、落とすことができます。歯ブラシは、そのまま使い捨てできるように、使い古しのものを使いましょう。また、カビの胞子が舞い散るので、マスクや眼鏡などを掛けて行うのがいいです。そして、庭やベランダなどの室外で行うようにしましょう。カビの胞子が室内に舞うと、他の衣服やカーテンなどに、カビが伝染ってしまうリスクがあります。

 

◆落とし方

使い古しの歯ブラシを使い、カビの部分をこすってください。歯ブラシを軽く回しながら、カビを掻き出すようにして、シュッシュッとこすり上げます。時折、ジーンズを手でパンパンと叩き、表面に浮いたカビを払ってください。

 

◆仕上げに日光で干す

カビを落とした後は、洗濯機などで洗います。カビの範囲が狭い場合は、水拭きで拭き取ってもOKです。その後、日光がよく当たる場所で、天日干ししてください。日光消毒ができ、カビ菌を弱らせることができます。

 

中性洗剤で水拭きする

 

◆使う中性洗剤

中性洗剤で水拭きをして、カビを落とす方法です。中性洗剤は、食器洗い洗剤を使うのがお薦め。もちろん、衣類用の中性洗剤を使ってもOKです。

 

◆落とし方

洗面器に張った水に、中性洗剤を溶かしてから、タオルを浸してよく絞ります。このタオルで、カビが生えた部分を水拭きします。水拭きでは、タオルでぎゅっと押さえたり、トントンと叩くようにすると効果的。反対に、ゴシゴシとこするのは、カビの胞子が繊維に入り込む原因となるので避けましょう。仕上げには、洗濯機などで洗って、中性洗剤をよく落としてください。

 

重曹水に浸す(臭い取り)

 

 

◆重曹は消臭に効果あり

重曹水にジーンズを浸すと、皮脂などの汚れが落とせるとともに、嫌な臭いを消してくれる効果があります。ただし、カビを落とす効果については、あまり期待できません。

 

◆落とし方

洗面器に水かぬるま湯を張り、重曹を溶かします。水1リットルにつき、重曹はスプーン3~4杯を目安にしてください。この中にジーンズを浸してから、1時間ほど置きます。水から出したら、いつもどおり洗濯機などで洗って、重曹を落としてください。

 

酸素系漂白剤で浸け置き

◆酸素系漂白剤

頑固な黒カビには、漂白剤を使うのがお薦めです。というよりも、漂白剤を使わないと、黒カビはなかなか除去することはできません。ただし、デニム素材は漂白剤に弱く、ブリーチしたように色落ちしてしまう可能性があります。そのため、使うときは必ず、衣類用の酸素系漂白剤を選ぶようにしましょう。

 

◆ワイドハイターExパワー粉末

ワイドハイターExパワーは、酸素系漂白剤であり、色柄物やデニムにも安心して使用できます。とくに、粉末タイプは、水に溶かしやすく、浸け置き洗いにとても便利。浸しておくだけで、カビや臭いを強力に落としてくれます。

 

 

◆落とし方

洗面器に水かぬるま湯を張り、酸素系漂白剤を溶かします。その中にジーンズを浸してから、30分程度置きます。水から出したら、いつもどおり洗濯機などで洗濯します。

 

◆注意点

漂白剤の表示どおりに、浸け置き洗いをするのがお薦めですが、デニムによっては色落ちなどが生じることがあります。とくに、履き始めてから最初に洗うジーンズでは、色落ちがしやすく、洗面器の中の水が青く染まってしまうことも。しかし、見た目の色が変わるぐらい、色落ちしてしまうことは滅多にありませんので、ご安心ください。ヴィンテージジーンズなど、独特の風合いを大切にしている場合は、漂白剤での浸け置き洗いは避けたほうがいいです。

 

クリーニング

一本一万円以上するような高級ジーンズやヴィンテージジーンズは、クリーニングに出して洗うほうが安心です。クリーニング店では、汚れを落とすだけでなく、カビ取りや消臭なども施すことができます。洗濯するよりも、デニム素材独特の質感や、微妙な色調を保ちやすいです。

 

エタノールや塩素系漂白剤はNG

ジーンズやジージャンのカビ取りに、使わないほうがいいものに、エタノールや塩素系漂白剤などがあります。どちらの溶剤も、色落ちを起こしやすいため、藍色に染め上げたデニムに使うには向いていません。とくに、塩素系漂白剤では、直にデニム地に付けると、ブリーチしたように色が抜けてしまうことがあります。

 

 

カビ取り後の消毒方法

熱湯で消毒

◆カビ落としの後に

カビをざっと落とした後は、熱湯で消毒しておくと、またカビが生える連鎖を絶ちきることができます。使う熱湯は、60度程度が適温です。これより熱いと、デニムが傷みやすく、これよりぬるいと、カビ菌が死滅しません。

 

◆やり方

60度ほどの熱湯を、洗面器などに張り、ジーンズを浸します。浸しておく時間は、10分程度。あまり長く浸しておくと、生地が伸び縮みしたり、色落ちが激しくなるので、注意してください。浸した後は、軽く脱水をしてから干します。

 

アイロンで消毒

◆ジーンズにアイロン掛けは大丈夫?

熱湯を使うかわりに、アイロンを当てて、カビ菌を死滅させる方法です。基本的に、デニム素材は、アイロンを掛けても大丈夫です。ただし、ヴィンテージジーンズや高級ブランドのデニムなどで、アイロン掛けが心配な場合は、スチームアイロンで行うのが安心です。

 

◆やり方

①裏返す

ジーンズは裏返しておきます。とくに、光沢感やラメ感があるデニムでは、アイロンで質感が変わる可能性があるため、裏返しで当てるのが無難です。

 

②当て布かスチームアイロン

アイロンを直に当てる場合は、当て布をして行います。当て布には、綿素材のハンカチや手ぬぐいなどを使いましょう。ジーンズの上に当て布を置いてから、アイロンを掛けていきます。スチームアイロンの場合には、スチーム設定をしてから、ジーンズの上を浮かせるように滑らせていきます。

 

③カビ部分を重点的に

シワ取りというよりも、カビを退治することが目的ですので、しっかりとアイロンを当てなくてもいいです。カビが生えた部分は、アイロンで押さえるようにして、やや念入りに掛けましょう。あとは全体を滑らせるようにして、さっと掛ければOKです。