【苛性ソーダの処分方法】廃棄方法(業者、料金など)や捨て方を紹介【水酸化ナトリウム】

苛性ソーダのNGな処分方法

ゴミとして捨てるのはNG!

◆燃えるゴミには絶対に捨てない

苛性ソーダを、ゴミに混ぜて捨てるのは、絶対にNGです。ほんのちょっとならばバレないだろう…という気持ちで、ゴミ袋に入れるのは止めてください。たとえ、ビニール袋に何重にも入れて捨てるとしても、ダメなものはダメです。苛性ソーダは決して、燃えるゴミには混ぜないでください。

 

◆ゴミに捨てたらこんなリスクが…

袋に穴が開き、苛性ソーダが洩れてしまうと、家族やゴミ収集員の手に付いて、皮膚がただれてしまう危険があります。洩れ落ちた粉を、猫やカラスが食べたり、近所の子供が触ってしまう危険も考えられます。さらに、生ゴミの水分と、苛性ソーダとが反応して、発熱してしまうこともあり得ます。とにかく、劇物である以上、ゴミとして捨ててしまうと、いろいろな危険がはらんでいます。

 

水に薄めて流すのはNG!

◆ネットではよく挙がる方法だが…NG

ネットで検索すると、大量の水で薄めて流してはどうか…という案が、たくさんヒットします。お家の洗面所などで簡単にできるので、この方法に心惹かれる人は多いでしょう。しかし、個人的には、この案には大反対です。

 

◆水に流したらこんなリスクが…

まず、水に溶かす過程で、皮膚に触れたり、目に入るなどの危険があります。そして、水に反応して発熱したり、溶け残りが排水管にこびり付いて、排水管を傷めるおそれも考えられます。そもそも自治体では、苛性ソーダのような劇物を、排水に流すことを禁じていることが多いです。

 

メルカリなどで販売するのはNG!

余ったものはメルカリで売っちゃおう~と、思ったあなた。基本的には、劇物を、メルカリなどのサイトで販売することはNGです。仮にうまく売れたところで、劇物を郵送する方法に悩まされることでしょう。というのも、劇物を送るには、劇物専用の送り方で発送するのが決まりだからです。とにかく、気軽に売るつもりが、かなり面倒なことになるので、止めた方がいいです。

 

 

苛性ソーダの処分方法

購入したお店に相談

苛性ソーダを購入したお店に、苛性ソーダを引き取ってもらえないかを、相談してみましょう。石けん作りの教室やお店などでは、余った苛性ソーダを引き取ってくれることがあります。もし引き取ってもらえなくても、処分方法について、何かアドバイスをもらえると思います。

 

薬局やドラッグストアに相談

薬局やドラッグストアに、苛性ソーダの処分について、相談してみましょう。購入した薬局では、無料で引き取ってくれることが、まれにあります。購入した薬局が分からない場合は、行きつけの薬局に相談すればOKです。また、突然に訪問するよりは、事前に電話などで相談しておくと、薬剤師などの詳しい人がいる時間を教えてもらえます。薬剤師がいれば、処分方法について、アドバイスを受けられる可能性が高いです。

 

自治体に相談

居住している自治体に、苛性ソーダの処分方法について、問い合わせることができます。具体的には、市役所の環境局など、ゴミや廃棄物を取り扱っている部署に、電話をしてみましょう。最近では、メールやラインで、質問を受け付けている自治体も多いです。メールなどで質問を送ると、後日、丁寧な回答がもらえるので便利です。

 

ゴミ処理施設で処分

◆ゴミ処理施設に持ち込み

自治体に相談した場合は、ゴミ処理施設を紹介されることが多いようです。もちろん、紹介がなくても、苛性ソーダをゴミ処理施設に持ち込むことはできます。この場合は、自治体が発行する冊子や広報などで、地域指定のゴミ処理施設を確認しましょう。

 

◆事前に費用や予約を確認

直接に持ち込む場合は、あらかじめ電話などで、苛性ソーダを引き取ってもらえるかどうかを確認してください。なお、引き取り費用や、持込み日の予約が必要かどうかなどを、併せて確認しておくと安心です。また、ゴミ処理施設の多くは、山間など、町から離れたところに設置されています。車で移動できない人は、公共交通機関で行けるかどうかも、問い合わせておくといいでしょう。

 

産業廃棄物処理業者で処分

◆産業廃棄物処理業者を探す

産業廃棄物処理を専門に行う業者では、苛性ソーダなどの劇物を取り扱っていることがあります。まずは、インターネットや電話帳で、近所に業者がないかを探してみるといいでしょう。業者のホームページなどに、化学系廃棄物や医薬品処理などのワードがある業者は、苛性ソーダに対応している可能性が高いです。

 

◆費用や引き渡し方法を確認

産業廃棄物処理業者に目星を付けたら、まず、電話やメールで問い合わせてみましょう。苛性ソーダを処分したい旨と、引き取り費用、引き渡しの方法などを確認してください。業者により、持ち込む場合と取りに来る場合とがあり、取りに来てもらえる場合は費用が高くなります。また、処分する条件として、一定の分量がないと引き取れなかったり、個人の客を受け付けていないこともあるので、事前によく確認しましょう。

 

 

誰かに譲る

◆誰かに譲って有効活用

苛性ソーダが欲しいという人に、譲るという方法があります。この方法だと、手元からサクッと苛性ソーダがなくなり、かつ、誰かが有効に活用してくれるので、嬉しい限りです。ですが、苛性ソーダが欲しいという人を、どうやって見つければいいでしょうか。

 

◆石けん作りが趣味の人に譲る

石けん作りを趣味としている人は、苛性ソーダを必要としている場合があります。たとえば、手作り石けん教室やサークルで知り合った人は、自宅でも、石けんを手作りしている可能性が高いです。不要となった苛性ソーダを、もらってくれるかもしれません。

 

◆友人に聞いてみる

もちろん、苛性ソーダを使わないかどうかを、友人などに聞き回るのも良しです。手作り石けんに興味がある友人がいれば、石けん作りをレクチャーするついでに、余った苛性ソーダを譲ってもいいですね。

 

◆手渡しで渡すこと

知人や友人に譲るときには、手渡しが基本です。劇物扱いとなりますので、通常の郵便などでは送らないでください。また、渡すときには、密閉した袋に入れるとともに、袋に「苛性ソーダ」と記載しておくのがルールです。無記名で袋を渡すと、後日、もらった人が忘れてしまい、むやみに手で触ったり、ゴミに捨てたりするリスクがあります。譲るときには、次に使う人のことも考えて、リスクを回避できるよう配慮しましょう。

 

石けんを作る

石けん作りで余った苛性ソーダは、さらに石けんを作って、使い切ってしまうという手があります。石けん作りに長けている人ならば、苛性ソーダのある分だけ、大量に石けんを作ってしまいましょう。作った石けんは、小さなお礼の品として、家族や友人に配ることができます。また、アロマオイルやポプリを入れた手作り石けんを、メルカリなどのサイトで販売すれば、お小遣い稼ぎにもなりますよ。

 

苛性ソーダ

苛性ソーダとは

苛性ソーダとは、正式には水酸化ナトリウムと言います。一般的には、白い粒状の固形であり、空気中に置くと、湿気を吸って液状に変わります。強いアルカリ性を持つため、廃水の中和剤や工業薬品としてなど、さまざまなシーンで活用されています。あまり馴染みのない名前ですが、家庭用の洗浄剤などには、成分の一部としてよく含まれています。また、趣味や料理などに使うため、苛性ソーダを買い求める人もいます。

 

家庭で苛性ソーダを使うシーン

◆石けん作り

石けんを手作りするときには、苛性ソーダを使います。わざわざ買った記憶がない場合でも、石けんの手作りキットの中に、苛性ソーダが含まれていることが多いです。そのため、生活の木などのアロマクラフトショップや、手作り石けん教室などでは、苛性ソーダを購入することができます。

 

◆プレッツェル作り

最近では、苛性ソーダと言えば、プレッツェルを連想する人が多いです。プレッツェルと言えば、あのドイツの有名なパンですが、独特の茶色に色づけるために使われるようです。劇物とされる物質を使って、食べられるパンを作るなんて、なんだか不思議な感じがしますが・・・。高温で焼く(揚げる)ことで、苛性ソーダが化学変化するため、食べても身体に害はないとされます。

 

◆掃除、脱脂

苛性ソーダは、強いアルカリ性であるため、油を分解させる力が強いです。そのため、油汚れを落とすための、掃除や脱脂などに使われることがあります。ですが、家庭で使うためと言うよりも、清掃業者などのプロの業者が使うことが一般的です。また、市販の洗浄剤に、苛性ソーダが成分として含まれていることはあります。

 

苛性ソーダのリスク

◆苛性ソーダは劇物

苛性ソーダは、いわゆる劇物です。素人が、生半可な知識で取り扱うには、危険な物質だと思ってください。法律により指定された、れっきとした劇物であり、取扱いや保管方法には、いろいろと留意すべきことがあります。もちろん、苛性ソーダを処分するときにも、それなりの注意が必要です。

 

◆こんなリスクがある!

・皮膚に付くと、皮膚が溶けるおそれ

・目に入ると、失明するおそれ

・水に溶かしたときに、発熱、突沸するおそれ

 

まとめ

 

◆苛性ソーダを自宅で処分するのは、危険を伴うので控える

 

◆業者に依頼することでお金はかかるが処分してもらえる

 

◆処分にかかる費用は無料の場合もあれば、数万円以上かかる場合もある

 

◆役所の担当課に問い合わせると、処理方法や業者を紹介してもらえることがある

 

◆購入した薬局であれば引き取ってもらえることもある

 

◆企業によっては処分を引き受けてくれることもある