シリコンケースの汚れ
シリコンケースといえば、丈夫で柔軟性もあり、落下しても割れずに衝撃から守ってくれる強い存在です。
また、持ち前の弾力性のおかげで形が崩れづらいという利点もありますね。
色付けや加工のしやすさから、スマホケースや、ラバーバンドなど身近な物に幅広く使用されています。
しかし、シリコン製品を使っていると、べたつきや、ホコリの付着がどうしても気になってしまいます。
シリコンケースの汚れの原因
シリコンケースの汚れの原因は、主にシリコンという素材によるものが大きいです。
具体的な汚れの原因を見ていきましょう。
◆素材由来によるもの
シリコン製品の製造時に必要なシリコンゴムは、石油が原料です。
油が練りこまれて油脂分も高くなるため、独特な肌触りがあります。
手に持った時にフィットする触り心地は、シリコン製品ならではですね。
そのため、サラサラとしたプラスチックケースと比べても、空気中のホコリやゴミ、皮脂なども吸着させやすくなってしまいます。
◆素材×化学変化によるもの
シリコン製品は時間が経つと、「加水分解」という化学変化を起こし始めます。
「加水分解」とは、シリコンに含まれる物質に水分が加わることで、分解されて変化する現象をいいます。
水分は湿気や手汗などが原因となることもあり、完全に取り除くことはできません。
また、シリコン製品は弾力性などを出すための薬剤が添加されています。
この薬剤が、シリコン素材が加水分解を起こしたときに表面に溶け出すことで、ベトベトした触り心地を発生させてしまうんですね。
様々な汚れの落とし方
シリコンケースの汚れの原因については分かりましたね。
シリコンケースに発生する汚れには種類があり、汚れに合った落とし方・洗い方を知る必要があります。
色移りによる汚れの落とし方
スマホケースをジーパンのポケットに入れておくと、色移りを起こすことがあります。
実は、シリコン素材には色移りなど、汚れを付着させやすいというデメリットがあります。
何よりの予防は、色が濃い製品と強く接触させないことが大事です。
色移りしてしまった場合は、漂白剤をつけた綿棒でトントン汚れを浮かせると良いでしょう。
ただし、塩素系漂白剤など漂白力が強いものだと、種類によっては元々の色素を落としてしまう危険があります。
色落ちしないか、少しずつ試すと良いでしょう。
黒ずみによる汚れの落とし方
シリコンケースについた黒ずみの原因としては、手垢などの皮脂が浮き出て黒い汚れとなっているからです。
黒ずみに有効的な洗浄方法は、歯ブラシに石鹸もしくは歯磨き粉をつけて気になる箇所を優しく擦るというものです。
キレイに洗い流した後は自然乾燥させましょう。
シリコン素材は布で拭くと繊維が付着するので、おすすめできません。
時間がない場合は、ドライヤーの冷風を利用して下さいね。
黄ばみによる汚れの落とし方
黄ばみ汚れの場合は、紫外線によって変色してしまった場合と、シリコンケース自体が劣化して変色した場合があります。
経時して劣化したものについては、残念ながら元の状態に戻すことはできません。
見た目だけでは違いは分かりませんので、一度試してみると良いでしょう。
◆必要なもの
◆手順
①酸素系漂白剤と水を1:1の割合で溶かします。
②溶かした液にシリコンケースを漬け込みます。
③紫外線に当てて、様子を見ながら数日間~1週間おきます。
紫外線に当てることが重要なポイントになりますので、しっかりと太陽光が当たる場所を確保して下さいね。
④キレイに水洗いして自然乾燥させましょう。
紫外線による黄ばみの場合はキレイに色落ちが期待できますが、劣化による黄ばみの場合は変化がないでしょう。
ゴミやホコリによる汚れの落とし方
シリコンケースは油分による粘着性があるので、繊維やホコリなどの小さなゴミを付着させやすいです。
スマホケースなどの精密機械をまとう大事なものであれば、ゴミが蓄積すれば故障の原因になりかねません。
こまめに取り除いて、キレイな状態を維持しましょう。
<落とし方①>
平らな場所や、比較的取りやすい場所に溜まったゴミに対して有効的な方法です。
◆必要なもの
◆手順
気になる箇所に粘着テープやコロコロテープを貼り付けて取り外すだけです。
何度か繰り返して、ゴミを取り除きましょう。
<落とし方②>
装飾が多いスマホケースなど凹凸が多いシリコン製品であれば、木工用ボンドを使って届きづらい箇所のゴミも粘着させることができます。
ただし、乾かすのに時間を要するので、使用頻度が高いものや、すぐに使いたい物は避けた方が良いでしょう。
◆必要なもの
◆手順
①シリコンケースに木工用ボンドを塗りましょう。
乾燥に時間がかかりますが、厚めに塗ると乾いた時に外しやすくなります。
②風通しの良い場所で透明になるまで乾かしましょう。
自然乾燥するのを待てない!という方は、ドライヤーの冷風で乾かしても良いでしょう。
③ボンドが乾いたらゆっくりと剥がしましょう。
しっかり乾かさないと、剥がしづらくなったり、うまく剥がれずに残る可能性があります。
べとつきによる汚れの落とし方
べとつき汚れの原因として、加水分解という化学変化が関係しているとお話しました。
そのため、石鹸や洗剤を使っても簡単に取り除くことはできません。
<落とし方①>
◆必要な物
・無水アルコール
・ティッシュ
・消毒用ウェットティッシュ(※無水アルコールがない場合)
◆手順
無水アルコールで湿らせたティッシュ、なければ消毒用ウェットティッシュで気になる箇所を拭き取るだけです。
無水アルコールと消毒用ウェットティッシュの違いはアルコール度数です。
無水アルコールの方が度数は高く効果的ですが、手元にない場合はウェットティッシュを何枚か使って拭き取る方法でも構いませんよ。
<落とし方②>
お弁当に使うシリコン製品だと、シリコンカップがありますね。
何度も使えて便利な一方、べとつきが取れず、臭い残りで悩む方も多いのでは?
そんなべとつきと臭いを取るには、重曹がおすすめです。
シリコンカップ以外でも水につけても良いシリコン製品であれば、効果があります。
重曹は食品や掃除用品としても使われている分、身近で安心な素材ですね。
◆必要な物
・重曹
・お湯
・歯ブラシ(※なくても良いです)
◆手順
①お湯に適量の重曹を入れて混ぜたものを用意します。お湯の代わりに水でも構いません。
②汚れが気になるシリコン製品を、約6~12時間漬け込みます。
③漬け込みが終了したら、指、もしくは歯ブラシを使って細かい部分を洗います。
汚れがひどい場合は直接重曹を塗り付けて、水のついた手で擦り洗いするでも良いでしょう。
④キレイに水で洗い流して、乾燥させましょう。
漬け込む時間がない場合は、重曹を適量溶かしたお湯で煮沸消毒する方法でも良いでしょう。
シリコンは耐熱性に優れていますが、商品の種類によっても異なります。
<落とし方③>
身近な文具である消しゴムを使って取る方法もあります。
気になる箇所をゴシゴシと根気よく削り取るだけです。
お手入れ方法
日頃の使い方を注意して、手入れをすることでシリコン製品はキレイな状態を保つことができます。
スマホケースなどは安いものでもありませんし、買い替えるのではなく、大事に長く使いたいですよね。
◆保管場所に気をつける
ラバーバンドやスマホケースなど普段身につけるものであれば、色移りしやすい布製品と接触させないことが大事です。
また、シリコン製品はホコリやゴミを吸着させやすいので
・窓際や衣類が多い場所などホコリが立ちやすい場所の保管は避ける
・戸棚やケースにしまう
などの工夫が必要でしょう。
◆重曹水に漬け込む
重曹にはシリコン製品の加水分解を促進する作用があるので、シリコン製品のべたつきを軽減させてくれます。
また、消臭効果も高いので、食品関連で使う臭い移りしたシリコンケースなどにおすすめな方法です。
◆リンススプレーを使って、ゴミの付着を防止
リンスには「カチオン界面活性剤」という成分が含まれています。
この成分には、静電気防止効果、撥水効果、ホコリを付着させない効果などがあるのです。
その性質を利用して使うのがリンススプレーです。
リンスと水を1:10の割合になるように希釈した液体を、スプレーボトルに混ぜ入れてシリコン製品に吹き付けるだけです。
シリコンケースだけでなく、テレビの液晶画面などホコリが立ちやすい場所でも効果があります。
吹き付けて自然乾燥させた場所は、約1週間効果が持続するでしょう。
◆アンチダストコーティング加工が施された商品を選ぶ
スマホケースやリモコンカバーなど、ホコリが付着しにくい加工が施された「アンチダストコーティング仕様」の商品が出ています。