【レンズのカビ取り】除去・清掃方法や見分け方!カビは移る?【修理料金は?】

レンズのカビ

レンズにカビが生えた!

長らくしまっていたカメラを、久しぶりに取り出したとき。なんとなんと、レンズにカビが生えていた!ということありませんか。最初は、カビだと思わないかもしれません。でもよく目を近づけると、モワモワとはびこる白い物体は、まさしくカビの汚れ。こんなところにカビが生えるなんて!と驚いてしまいますよね。

 

長く保管するレンズは注意

一眼レフやミラーレスカメラを持っている人は、何個かのレンズを使いこなしているかと思います。そして、写真にこだわるうちに、ついついたくさんのレンズを揃えてしまう人も多いでしょう。

 

しかし、レンズを揃えれば揃えるほど、使わないレンズは出てきます。そして、出番のないレンズは、使うときまで保管することになるのですが・・・。

 

新しいレンズに目移りしていると、このまま長い間、日の目を見ずに保管されることはあり得ます。

 

レンズはガラス製かプラスチック製

カメラレンズのほとんどは、ガラス製かプラスチック製です。こう聞くと、ガラスにカビが生えるの!?と意外に思うかもしれません。でも、よく考えてみてください。

 

窓ガラスにカビが生えているのを見たことはありませんか。意外なのですが、ガラスにも、条件が整えばカビは生えます。もちろん、プラスチックにも生えます。ですので、レンズにカビが生えることは、それほど不思議なことではないのです。

 

カビが生える条件と対応

次の条件が揃うと、カビが生えやすくなります。

 

湿度

湿度が70%を超えると、カビが生えやすくなります。ですので、長くレンズを保管するときには、梅雨や冬季にはいちど、レンズの状態を確認するようにしましょう。

 

長く雨が続くときや、雪に覆われているときには、どうしてもカビが生えやすくなりますよ。なお、保管状態が良くないと感じたら、除湿剤を置いたり、エアコンの効いた部屋に移動させるなどの対策を取ってください。

 

ちなみに、気温が0度より低くなると、カビは生えにくくなります。ですので、冬季に寒い場所に置いておく分には問題ないです。

 

雑菌(カビ菌)

雑菌などの汚れがあると、カビが生えやすくなります。まず、空気中には、カビの胞子を含む雑菌がたくさん含まれています。これは、毎日掃除機をかけている家であっても、残念ですが例外ではないです。

 

家の中には、普通にカビ菌が飛んでいると思ってください。このカビ菌がレンズに付くと、これをキッカケにしてカビが繁殖してしまうことがあります。

 

手垢などの汚れ

レンズに残る手垢や皮脂は、カビにとって栄養分となります。また、レンズに溜まった埃も、カビが繁殖する温床となりがちです。ですので、レンズを保管する際には、あらかじめ、汚れをキレイに拭き取っておくことが大切です。

 

そして、埃が溜まりにくい環境で保管するためにも、箱などのケースに入れておくことが大切です。

 

空気

空気中に生息するカビ菌には、当然のことながら、空気が必要です。反対に言うと、空気のない環境では、カビはほぼ生息できません。ですので、レンズを保管するときには、真空状態にすることで、カビの繁殖を防ぐことができます。

 

ジップロックなどの密閉袋に入れ、中の空気を押し出してから閉じると、簡単に真空状態を作ることができます。

 

レンズにカビが生えると・・・

・レンズが白く曇る

・写真にフレアというぼけが生じる

・写りがクリアではなくなる

・レンズ内部にカビが生えると、簡単には落とせなくなる

 

カビを確認

レンズにカビが生えているかどうかは、目で充分に確認することができます。レンズの隅までよく見て、カビなどの汚れがないかをチェックしましょう。

 

また、パッと見ても分かりにくいときは、懐中電灯を使うと便利。レンズの片方に懐中電灯を当てて、レンズを覗き込むと、カビや埃などが非常によく見えます。ただし、懐中電灯の灯りは明るすぎないように注意。

 

まぶしくて確認するところではなくなるので、暗めに設定した懐中電灯を使いましょう。

 

 

レンズのカビ取り

まずは手軽にカビ取り!

マイクロファイバー、眼鏡拭き

マイクロファイバーなど、柔らかい布を使って拭き取りましょう。テレビやパソコンの液晶画面を拭くためのクロスや、眼鏡拭きなどが利用できます。指紋を付けないよう、レンズを触らないようにして拭いてください。

 

綿棒

レンズの縁に生えたカビは、綿棒ですくい取りましょう。レンズをこすらないように、綿棒の先を軽く当てて取ってください。

 

ブロアー

ブロアーは、ポンプの要領で空気を出し入れし、空圧でゴミを吹き飛ばす道具です。

 

パソコンなどの精密機器を掃除するときに、よく使われています。手で触れたり、クロスで拭くことなく、ゴミを除去できるのでとても便利。細かくて指が届かない場所や、触れずに掃除をしたい繊細な場所を、きれいにしたいときに利用できます。

 

やり方

ブロアーをレンズに近づけて、空気を吹き付けます。カビの胞子が舞うので、ティッシュなどで周りを覆いながら行うといいです。敏感な人は、マスクなどを着用して行いましょう。

 

カビキラー

カビの胞子を断ち切るには、カビキラーなどのカビ取り剤を使う方法があります。ほんの少量のカビキラーを、綿棒やクロスなどに含ませてから、カビが生えた部分を優しく拭いてください。

 

その後、水を固く絞ったクロスで、水拭きをして拭き取ります。カビキラーの溶剤を残したままにしないことと、水拭きの跡を残さないことに注意して行いましょう。

 

 

本格的にカビ取りしよう!

用意するもの

エタノール

レンズの清掃には、エタノールを使うのがお薦めです。使うものは、ドラッグストアなどで売っている、市販の無水エタノールでOKです。

 

無水エタノールは、水分を使用したくない精密機器などの掃除に、よく使われています。揮発性が高いので、レンズに水跡などが残らず、きれいに仕上がります。

 

クリーニングペーパー、キムワイプ

レンズの清掃には、レンズ用のクリーニングペーパーを使うのがお薦めです。クリーニングペーパーは、カメラ専門店やショッピングサイトなどで購入できます。近くに専門店などがないときは、キムワイプという専門ティッシュを使うといです。キムワイプは、医療用や精密機器用として使われており、ドラッグストアや家電量販店などで手に入ります。

 

ハンドラップ

なくてもいいですが、あると便利なのがハンドラップ。ハンドラップとは、エタノールなどを少量ずつ押し出すための容器です。エタノールを必要な量だけ、クリーニングペーパーなどに吸い込ませることができます。エタノールは揮発性が高いので、ハンドラップのような容器があると扱いやすいです。

 

清掃のやり方

①ブロアーを使って、レンズに付いたカビを吹き飛ばします。

 

②ハンドラップに無水エタノールを入れます。クリーニングペーパーなどを四つ折りにしてから、ハンドラップに受け皿に押し当てて、無水エタノールを含ませます。

 

③レンズの中心から周りに向かって、円を描くように丸く拭いていきます。優しくゆっくりと拭きましょう。

 

④クリーニングペーパーが汚れたら、新しいものに取り替えて拭き取っていきます。いちど汚れが付いたクリーニングペーパーは、使い続けても、汚れをまき散らすだけです。勿体なく思わずに、こまめにクリーニングペーパーを取り替えて拭きましょう。

 

⑤仕上げに、きれいなクリーニングペーパーを使って、から拭きします。

 

業者に依頼する

レンズ内部のカビには手を出さない

レンズ表面を掃除してみても、何の変化もなかったら・・・。残念ですが、レンズの内部にカビが生えてしまっています。レンズ内部に生えたカビは、よほどの熟練者でないと、簡単には落とすことができません。

 

と言うのも、レンズをいちど分解して、内部のカビを落とすこととなるからです。レンズの分解と組立てには、専用の機械と、カメラについての知識が必要です。分解してから、元に戻せないとなると困るので、カメラを撮る専門の人は、手を出さないほうがいいと思います。

 

レンズ内部のカビは業者へ依頼

レンズ内部のカビ取りは、業者に依頼するのがお薦めです。カメラのキタムラなど、カメラ専門店では、メンテナンスサービスを有料で行っています。レンズの清掃と併せて、依頼するといいでしょう。

 

また、カメラのメーカーでは、レンズ清掃などのメンテナンスに対応しています。購入したメーカーのHPなどで、修理受付を探して問い合わせてみましょう。メーカーに発送して依頼するので、近くに店舗がなくても大丈夫です。

 

費用

レンズ清掃だけで済む場合は、それほど値段は高くありません。カメラのキタムラでは三千円程から、他の専門店でも数千円程で対応してもらえます。メーカーに発送して依頼する場合も、レンズのカビ取りだけならば数千円程です。